川上さんの著書は「センセイの鞄」しか読んだことありませんでした。
「センセイの鞄」は、テレビドラマ化もされ舞台にもなりましたね。一時話題になっていた作品で面白く読んだ記憶があります。
この「風花」は、ちえぼうさんのブログ記事で知りました。
第一章では、主人公の「のゆり」33歳が叔父である「真人(まこと)」とひなびた温泉宿に行く場面から始まります。
叔父と姪と言うとかなり歳の離れた二人を想像しますが、「のゆり」の母の圭子と彼女の末弟である「真人」は13歳離れており「のゆり」にとって「真人」ははんぶん兄のようなものなんですね。
なぜ「真人」が「のゆり」を旅に連れ出したのか。それは「のゆり」が夫と離婚すべきなのかどうか悩んでいたため、だと思われます。
「のゆり」の夫の「卓哉」は同僚の「里美」と不倫関係にありました。
この「のゆり」ですが、夫に「どうするの」などと詰問したりしない。ただどうしたらいいか黙って時が過ぎて行くだけ。
登場する男性は叔父の「真人」、夫の「卓哉」、そして医療事務の講座で知り合った大学三年生の「瑛二」。
「のゆり」とその三人の男性との会話も不思議な感じです。お互いがパッパッと言葉を往復させるものではない。これはたぶん「のゆり」の性格から来ているのかな? 人からは「おとなしい」と言われる。
夫の不倫問題がどう解決されるのか。それを待っているあいだに「のゆり」は何度も「結婚って何?」と自問しますが答えは得られません。
夫の「卓哉」が姫路に転勤になり「のゆり」は一緒に行くことに決めます。
仕事も見つけた「のゆり」は「別居したいの」と夫に切り出し引っ越して行きます。
このへんから「おとなしいのゆり」から「行動するのゆり」に変化して行くんですねぇ。
最後は「別れよう」の言葉を口にした「のゆり」に対して夫の「卓哉」は青ざめ、そして二人して泣いてしまいます。
さて二人の今後は?
途中「のゆり」の思い出が語られる場面で「あ、これは霧積温泉じゃないかな」と思われる描写がありました。
横川の駅でおりて迎えのクルマに乗った。
宿のお湯がやたらとぬるかった。
夕飯にはてんぷらが出たが、見たことのない葉っぱを揚げたものだった。
山道を歩いて軽井沢に出た。
まったくこの通りでしたからね、「霧積温泉」は!
私が若いころ友人と泊まったのが「霧積温泉」にある一軒宿の「金湯館」でした。森村誠一の「人間の証明」で一躍有名になった温泉です。
「人間の証明」に「霧積温泉」が出るから映画でもロケしたよね、と思って見に行ったら違っていてショックを受けました。
調べたら、映画のロケ地は「小谷温泉」だったそうです! こちらも長野県にある温泉なのですが。
おととい借りた本のうち、金仁淑著「アンニョン、エレナ」は16ページで挫折してしまいました(^^;)。どうも読みづらくて...。
えっと、庭の写真です。
「十月ザクラ」↓。「四季咲きサクラ」とも言うようです。
そしてこちらはどんどん伸びて行っている「ヘビイチゴ」↓。野原みたいになっていてうれしいです(^^)。