著者である堀越希実子さんは、2013年に亡くなられた歌舞伎役者の故、市川團十郎さんの奥様であり、市川海老蔵さんのお母さん。つまり小林麻央さんにとってはお姑さんにあたるかたです。
表紙でもわかるようにキレイなかたでお着物がよく似合ってらっしゃる。ご自分でも着物のデザインもなさっているようです。この本にはそのへんの事も書かれています。
著者は大学生時代からお見合いをしていたそうですがピンと来る人はいなかったとか。
そんな時に市川團十郎さんとお見合い(と言っても最初は友人と一緒に楽屋に行っただけのような)をして学生からすぐに梨園の妻になられたようです。
團十郎さんは名門成田屋の御曹司として順風満帆の役者人生を歩いて来られたとばかり思っていましたが、実は19歳で父親を29歳の時に母親を亡くされたそうで。
歌舞伎役者というものはたいてい親から指導を受けて行くのでしょうが、團十郎さんにはその後ろ盾がいなかった。苦労なさったことでしょうが、娘の市川ぼたんさんの著書を読むと、そういう経験については一切語らなかったそうです。
この本では市川家の食事について写真とともに詳しく書かれています。1年を通しての季節ごとのお料理やしきたりなどについても。
海老蔵さんが小学校入学時にお庭に植えられたサクラが満開になると屋上でパーティーを開かれるそうです。見事なサクラ!
團十郎さんは白血病で亡くなったわけですが、闘病は9年もの長いものでした。
発症した当時のことから亡くなるまでの経緯も書かれていますが、この本にも引用されているように、娘のぼたんさんの著書「ありがとう、お父さん」に、より詳しく書かれています。
私など歌舞伎についてよく知りません。芸能ニュースでチラッと知るくらいです。
でも梨園の妻ってどう大変なのかな、なんていう興味はあるわけですね(^^)。
そのへんもこの本を読むとわかります。
海老蔵さんの連れ合いである小林麻央さんの病気などには触れていません。
お料理、歌舞伎の世界、歌舞伎役者の子供としての男女の差、など面白く読めた本です。