図書館の新刊案内で見つけて借りた本です。サブタイトルとして 「旅するシェフの料理修行日記」 と書かれています。
著者は神戸市東灘区にあるレストラン 「世界のごちそう パレルモ」 のオーナーシェフです。
この本は、著者が料理に魅せられて大学を中退し、自分の店を開くまでに訪れた国々とそのお料理を紹介する本です。
「フランス料理こそ世界一」 を疑わなかった時に、連れて行かれたインドでインド料理の奥深さを知り、目からウロコがが落ちた著者。「もっといろいろな国に出かけて、面白い料理に会いたい」 との気持ちが強まり、仕事も辞めてしまいます。
本格的な料理修行の旅は1998年の1年をかけたもの。この時に訪れた国は12カ国ですが、それ以前にも海外を旅しているので計30カ国を訪れた著者。。
お店を開く前に出かけた1年をかけた旅はただのバックパッカー旅ではなく、各国のお料理の作り方を学ぶためのものでした。
ネパールでは、後に自分の妻となる女性と出会ったり、チベットでは高山病で死にかけたり、ミャンマーでは肛門のすぐ横に腫れ物ができたり、インドネシアではポーカー詐欺に遭いかけたり、オランダのドーミトリーではベッドにくくりつけておいたバックパックを盗まれたり...(^^;)。
でも悪い出来事ばかりではなく、知り合いになった人のお宅に招かれてお料理の作り方を教えてもらうこともたびたび。また泊めてもらえたことも何度もあったようです。
著者は 「料理というツールを用いて世界の人々の暮しを多くの人に紹介することによって、やさしさや思いやりを人々の胸に培い、お互いに助け合える世の中になるよう努力していきたい」 という考えの元に 「世界のごちそう パレルモ」 を開いたわけですね。
それは料理修行中に見聞きした貧困や飢餓、差別などに心を揺さぶられたからだそうです。
各国の紀行文の最後のページに乗っているお料理から、特に美味しそうだな、と思ったものをご紹介します。
まず、チベットの 「トゥクパ」↓。
マレーシアの 「ミーゴレン」↓。
トルコの 「カルヌ・ヤルク」↓。
自分のお店を持ってから16年経った今、著者は 「食育・人権」 をテーマにした講演、セミナーなどを行っているそうです。
おまけ: スーパーで「イヤにお花が多いなぁ」と思ったら、お盆なんですね。