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Channel: ハーちゃんの「ゆらゆら日記」
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최제훈「나비잠」

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難しい単語が多くて、それなのに辞書もほとんど引かずに読んだので、はたして内容が合っているのかどうか危ない感じです(^^;)。しかも読む速度がチョー遅いし...。

冒頭の部分を読んで、「あー、主人公は何か罪を犯したあげく、脱獄して少女を人質に立てこもっているんだなぁ」と思ったのですが、次の章では、主人公のチェ弁護士の仕事の話、家族の話になっている...。

それで私は、「あー、エンディングが冒頭に来ている構成かぁ」と誤解してしまいました。

実は冒頭の部分は主人公の夢なんですねぇ。夢と現実とがだいたい交互に出て来ます。

夢のほうは1人称で、現実のほうは3人称で話が進むんですが、途中からそれに気づきました(^^;)。

簡単に言ってしまうと(これは危険ですけども)、チェ弁護士の没落の日々が語られている小説です。

ソウルのローファーム(로펌!)の弁護士、チェ・ヨソプは、ある日、自分でも思わぬ行動に出ます。濡れ衣を着せられた男の弁護を無料で引き受け、弁護に成功するわけです。

ところがそのへんから彼の身近で変化が起き始めます。妻の不倫が発覚し、息子のために賄賂をつかませた野球部監督が起訴され、チェ弁護士も裁判を受けて弁護士資格を5年間剥奪されます。会社からはクビを言い渡され...。

しかも投資していた株が紙くず同然になってしまう...。夫婦は別れ別れに。果ては、一人息子が学校でのイジメに耐えきれず、飛び降り自殺をはかる悲劇にまで発展します。

冒頭から始まった夢は、関連性を持って続いて行きます。

後半では、夢と現実とが近くなり、どちらが夢か現実か、確認しないと読み進めないくらいでした。

タイトルの「나비잠」の意味を調べたら、「赤ん坊が両手を上のほうに伸ばして寝ること」だそうです。

最後に主人公がクルマに轢かれて倒れたその姿勢が「나비잠」なのかな、と思いました。血だまりの中に、その姿勢で動けずにいる主人公...。

次に読むのは、이장욱著「천국보다 낯선」です。そのまま訳すと「天国より馴染みが薄い」? 一体どんな話でしょうか? きっとまたかなりの時間がかかりそうです(^^;)。


おまけ: 昨日庭で咲いているのに気づいたスミレ「ビオラ・ソロリア」です。帰化植物なんだそうです!




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