同居しているお母さんが倒れ、介護に全身全霊を尽くしていたら、「肌に違和感を覚えるようになり、ファンデーションも化粧水も受けつけなくなり」「体もだれかを背負っているように重くなり」
その数日後、早起きした彼女が見たものは、ぴっちりとピンクの皮湿だらけになった太もも!
近所の皮膚科の先生は皮湿も見ずに「これは肝機能の低下だね」
皮湿のかゆみもおさまり仕事はなんとか仕上げたものの、足がまったく動きません。なんと、ヒザから下が象の足のようにふくらんでいたのです!
自力での歩行も困難になった彼女は、お母さんが入院していた大学病院に助けを求め、即入院。
いちばん苛酷だった時期のページ ↓です。
一番の悩みは仕事のこと。事情を説明して〆切りを伸ばしてはもらったものの退院できなければ迷惑をかけるだけ。仕事を降りる決断をして担当さんに連絡した彼女が思ったこと。それは「いつかこの病気が治って、社会復帰できる日が来たとしても、もう戻れる場所はないだろうな」ということでした。
次の不安は、まともじゃないお母さんを1人にしていること。
検査が続くばかりで、やっと病名を聞かされたのは入院してから22日後のことでした。
病名は「成人スティル病」。その晩から薬の投与が始まり、退院予定は1、2ヶ月伸びることになりました。
この副作用の強い薬「ステロイド」は、私も投与されたことがあります。
子宮筋腫の手術の翌日、血小板がほとんどゼロになり輸血をされました。その結果、肝機能がひどく悪化したので、この「ステロイド」を使われたわけです。
副作用のひとつの「ムーンフェィス」にもなり、鏡を見るたびに「これはだ~れ?」状態でした。
「成人スティル病」がどんなツラい病気なのか、文章ではなかなか理解できませんけども、さとうさんのこのイラスト本を読むと、「わー、これは大変だ!」と感覚的にわかる気がします。イラストの威力を見せつけられた気分です。
こちらは退院間近のページ ↓です。さとうさんの世話をしているうちに、お母さんがしっかりなさいました(^^)。
2ヶ月後に退院したさとうさん、体力不足、筋力の衰えを痛感します。副作用のむくみが解決したと思ったら今度は抜け毛。これも私はインターフェロン治療後に経験済みです。
でもあの「ステロイド」とは4ヶ月でさようならすることができました(^^)。
お仕事もいただけるようになり、退院の半年後には雪の東北に取材に行けるようになったそうです。
「あとがき」で、さとうさんはこう書いています。
この本がきっかけになって、病気に対する認識と理解が深まってくれたらうれしいです。特別な人だけがなるのではなく、誰にでも可能性があること、些細なきっかけでなるかもしれないことを解ってもらえたら、それが予防にも繋がると思います。得体の知れない病いに泣く人がこれ以上増えませんようにーー