最初の場面は、亡命中のダライラマにオッドアイの少年がこう予言するところから始まります。「気をつけてください。10年後の今日、あなたは暗殺されます」
そして10年後、ダライラマは暗殺されかかります。手術のおかげでその時は一命はとりとめるのですが...。
そこから舞台は現在のアメリカに移ります。
シングルマザーのエリスと娘のミシェルの家へFBI要員のサイモンが訪ねて来て、エリスの夫だった韓国人、シン・ガヤが最近の殺人事件に関与しているかも知れない、と言う。そして、夫に関するすべてを話してくれないか、と頼むんですね。
ところで「究極の子」とはどんな子か?
それは「オッドアイを持ち、東洋人と西洋人のハーフに見える容貌をしており、未来を予見できる特別な子」のこと。
その能力を利用して富と権力を手に入れ、全世界を思うままに動かそうとする悪の一団がいて、今ではアメリカの大統領まで彼らの言いなりになっているわけです。
シン・ガヤもそういう「究極の子」の一人でしたが、他の子には違う特別な子でした。普通の「究極の子」は、自分の未来しか見えないのに、シン・ガヤはあらゆることの未来を予言することができたのです。
シン・ガヤが10年前に死んだのに、彼から復讐をほのめかす手紙が届き始め、一人、また一人と死んで行きます。
なぜ彼が悪の一団に復讐を誓ったのか。それはニューヨークのワールド・トレード・センターのテロ事件と関係がありました。
韓国で暮らしていた彼の母親が衝突した飛行機に乗っていたことが名簿からわかったからです。
未来を予見できるシン・ガヤは、一味に「テロを止めさせてくれ!」と頼むわけですが、そんなことを聞き入れるやからではない。
そうして研究所から逃げ出したガヤは、10年後の復讐のため、そして愛するエリスと娘(まだ生まれてもいない)を救うために布石を敷いて行くんです。
逃げ出した短い間に愛するようになったエリスの目の前で、一味に囲まれたガヤは自殺してしまいます。
エリスには何が何だかわからないまま、愛する人が逝ってしまった。10年後にやっと彼に関する真実があかされるんですね。
長い小説(540ページ)で、私が韓国語の小説を読む常として、最初つまづきかけるんです(^^;)。なにしろ予備知識がまったくなく、どんなジャンルなのか、登場人物のキャラクターは、などをつかむまでに一苦労です。
でも途中から読むスピードが上がって行きました。この先、どうなるの?という気持ちになって。
エリスの娘のミシェルも結局、父親と同じ「究極の子」であるのがわかり一味に拉致されてしまう。サイモンとエリスは必死に彼女の居場所をつきとめ、助け出そうとするのですが...。
とても構成が入り組んでいて、私の文章ではこの本をうまくご紹介できていないのは確実です(^^;)。
これはミステリーなのかな?愛の物語なのかな?という感想を持ちました。面白かったです(^^)。
おまけ: またgifです。我が家のルーフバルコニーから見た、スカイツリーと首都高「中央環状線」。