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Channel: ハーちゃんの「ゆらゆら日記」
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大野更紗著 「シャバはつらいよ」

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昨日、江戸川区の図書館から借りてきた本です。

道をはさんでお隣のホームセンター「コーナン」にも寄ったのですが、なんだか疲れてしまいました。

今朝もちょっと体調が悪くて、そういう時は「ウィルス、再燃か!」って疑心暗鬼になってしまうんですねぇ(^^;)。

だけど、この本を読んだら、これぐらいのことでグッタリなっている場合ではない!とカツを入れられた気がしましたよ!

前作の「困ったひと」を読んだのは2年くらい前だったかな?

それを読んでいちばん記憶に残ったのが「お尻が溶けて流れ出した」という文章でした! 「なんという難病か!」と思いました。

ミャンマー難民に興味を抱き、大学院に進学した2008年に発病し、1年間病名がわからず悶々とした彼女。

結局、「皮膚筋炎」と「筋膜炎脂肪織炎症候群」という二つの病気であることがわかったわけです。日本ではほとんど症例のない難病だそうです。

そして9ヶ月の入院生活を終えて、彼女の言う「シャバ」に出てからの話がこの作品で描かれているわけです。

退院当時の彼女の状態は、と言うと「皮膚が薄弱化し、感染症にかかりやすくなっている」「筋力が無い」「お尻が流れ出たあとの潰瘍はまだそのまま」

飲んでいる薬は、と言うと「一日に7回に分けて、内服薬が一日29錠。それ以外に、お尻液体が大量に流出したお尻洞窟や潰瘍のための外用薬、痛み止めや点眼薬など。ステロイドのプレドニンの投与量は20ミリグラム」というありさま。

そして医療費の負担は、仕事をしていない彼女に重くのしかかります。

病名が確定するまでの一年間は、いろんな病院のいろんな診療科で、たくさんの手術や検査を受けて月々30万円くらいかかっていたそうです!

退院後の彼女の生活の不便さを解消するために、1日1時間だけヘルパーさんが来てくれます。彼女のできないことのうち、最低限をやってもらうわけですね。

とっても切実に感じたのは、彼女が入院中にボーイフレンドっぽい間柄になっていた男性と、だんだん心が通じなくなっていった経緯でした。

それは、外に出られない彼女がツイッターで知り合った人たちと実際に会うことになればなるほど、顕著になるんですね。

彼は彼女を自分だけの存在にしておきたかったのかも知れません。

でも、今の彼女にとって、ツイッターは命綱でもあるわけで。

彼女が電動車いすに興味を持ったきっかけも、一人のフォロワーさんと会ったことでした。彼は難病で大学生。でも電動車いすでビューッと風のように彼女の前に現れる。

そしてコンビ二に行くのにも難儀している彼女に「このままだと長距離移動できなくて生活圏が極端に小さくなっちゃうから、電動クルマいすに乗るといいんじゃないかな」ってアドバイスをくれるんですね。

それから、彼女が「ホームページかなんかを作りたいなぁ」とつぶやくとすぐ「作れるよ」と返事してくれたフォロワーさん。

「冬服がない、買いに行けない、どうしよう」と悶々とつぶやいていると「キクラゲラーメン食べに行かない?」とメッセージをくれた女性。

彼女があるラジオ番組にツイッター投稿をすると、パーソナリティの荻上チキさんが興味を持って取材に来てくれたり。

そんな時に東日本大震災が起き、彼女は自分の不安もある中、一所懸命にツイートします。

「おせっかい、躊躇をすべて無視して、高齢者、障害者、難病患者、周囲近所に声をかけまくって」

「彼らは自力で動けない、避難できない、室内に物が散乱してもどうすることもできない」

「ステロイド、透析、血液製剤、免疫抑制剤、医療行為・薬品が生命維持に毎日不可欠なひとの医療ライン確保を」

ミャンマー研究にすべてを投げ打ってもかまわない、とまで思っていた彼女。病いを得た今、フィールド研究にもどることはもうできません。

ミャンマーでかきあつめた資料やミャンマー語の教科書をリサイクル業者に売るべく段ボールに入れる。涙がぽたぽた流れ落ちる。

今、彼女は社会保障の、システムの研究をしたいと思い、M学院大学の大学院で社会学を研究しているそうです。

ちなみに彼女のブログはこちら

「困ったひと」の内容をはっきりとは思い出せなくなっているので、また図書館に予約しました(^^)。



おまけ: お茶の水の「かえで通り」で咲いていた「ヒガンバナ」。今日撮ったものです。





「ヒガンバナ」は毎年、急に咲くなぁ、と思っていましたが、そうじゃないんですねぇ。その前から茎はこんな風に伸びているのでした(^^;)。


明日「ヒガンバナ」で有名な「宝蔵院」に行って、咲いているかどうか確かめてきますね。

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