図書館の新刊案内から選びました。
なんですけど、1948年から2002年までに発表されたエッセイを編集したものです。
私たちがあまり知らない戦後の暮らしが書かれています。
私は 石井さんの 「ノンちゃん雲にのる」 は映画で見た覚えがあります。 それから 「クマのプーさん」 「ピーターラビット」 はもちろん読みました。
でも終戦直前からしばらくのあいだ、東北の山村で農業・酪農をなさっていたなんて知りませんでした。
東京に出たのも、農業・酪農では食べていくことが困難だったから、石井さんが出稼ぎに出た、というわけです。
当時の農村がどんな悲惨な暮らしぶりだったか。 今の私たちには想像もつきません。 この本を読んで 「ええー、昭和の20年代でもそんな状況だったのか 」 と知った次第です。
「田や畑の仕事に追われているおよめさんたちにとっては、子どもを育てることなど、片手間なのだ。 乳飲み子にお乳をやるふりをして、居ねむりをするのが、何よりのたのしみで休息だという」
石井さんは東京と宮城県を行ったり来たりしながら、日本が変わっていくようすを客観的な目で見据えていて、ずいぶん前のエッセイなのに現代のエッセイと言ってもおかしくない考え方に驚きます。
ただ時代によって 「普通のこと」 「常識」 と思われるものは変わるんだな、と思ったのは、石井さんの飼っているメス猫の話しのところでした。
メス猫が何回かお産をするのですが、そのたびにオス猫に子猫をとられる。 そんな事件がまた起こらないようにと、石井さんは子猫を遠くに捨てに行った、と書いています。
今だったら、不妊手術をさせるのが一般常識でしょう。 この文章には 「ああ、時代が変わると常識も変わるんだなぁ」 と思わされました。
今日は自分の心臓のほうの通院日でした。 3分で終わりました (^^;)。