三浦さんの小説は今までに2冊しか読んでいません。「風が強く吹いている」「木暮荘物語」です。
たった3冊を比べるのもなんですが、「舟を編む」はずいぶん文章が上手くなっていると思いました(上から目線でごめんなさい)。私は好きです。
最初のほうで、辞書づくりひとすじ37年になる、玄武書房の辞書編集部の荒木がこう言います。
「辞書はことばの海を渡る舟だ」。その舟を編む編集者たちの話ですね。
とんちんかんな性格で、出版社の営業部では能力をまったく認められなかった馬締光也が、辞書編集部にスカウトされ、その言葉に対する鋭い感覚と熱心さで「大海渡」を完成されるまでの物語です。
完成までなんと15年の歳月を費やす作業! 辞書づくりの課程と苦労というものを初めて知りました。
主人公の馬締光也は、下宿先の大家の孫、女板前の香具矢と結婚することになるのですが、香具矢は馬締と結婚した理由をこう述べています。
「辞書に全力をそそいでいるところです」。
そして
「おいしい料理を食べたとき、いかに味を言語化して記憶しておけるか。板前にとって大事な能力とは、そういうことなのだと、辞書づくりに没頭する馬締を見てきづかされました」。
馬締たちが完成させた辞書「大海渡」の完成祝賀パーティーが開かれます。誰もが笑顔です。
俺たちは舟を編んだ。太古から未来へと綿々とつながるひとの魂を乗せ、豊穣なる言葉の大海をゆく舟を
ブロ友さんが「映画を先に見たほうがいい」とアドバイスを下さったのに、先に本を読んでしまいました(^^;)。
「先に映画を」の理由は、ブロ友さんが本を先に読んで、「映画のキャストがイメージと違っていた」と思われたからです。
私もいつも本を読むと頭の中に人物像ができあがってしまっているので、映画を見るとほとんど「う~ん」となってしまいますね。
この「舟を編む」も、ぼんやりながらも顔やたたずまいなど、出来上がっていました。読み終えてすぐに映画を見始めたのですが、少し違和感があり、30分見て止めてしまいました。深夜だったので眠かったせいもあります(^^;)。
でも今日、主人が続きを見始めたので一緒に見ました。
主役の松田龍平くんはわりとイメージと近かったです。
宮崎あおいちゃんが少し違うんだなぁ。小説では「すごくきれいな女性」と書かれているのですが、宮崎あおいちゃんは「きれい」と言うよりも「可愛い」タイプですよね?
小説ではだいぶ笑える場面がありましたが、映画では少なかったかな?
あと荒木先生の出番が小説より少なかったですね。
でも映画は映画で面白く見ることができました。
映画と原作は別物、と思ったほうが良いですね、どの作品でも。
娘は本は読まず、里帰り中に録画した「舟を編む」を1人で見ていたので、さっき感想を訊いたのですが「難しい」とだけ(^^;)。
ところで三浦さんはエッセイを17冊も出しているそうで、これが面白そうに思えます。図書館で借りて読んでみたいです。たくさんあって選ぶのに困りそうですけども(^^;)。
図書館と言えば、私がこの本を借りようと思った時、あまりにも予約待ちの人数が多くてあきらめたのでした。
今はどんな状態かな、と図書館のHPを見ましたら、うちの区の図書館では蔵書が26冊、予約待ちがなんと261人!
ところがところが、お隣りの江戸川区の蔵書は51冊で、予約待ちはたったの6人になっているではないですか!
これは一体どういうことなんでしょうねぇ。江戸川区は蔵書が多いから、さばき切れたということかな? うちの区の読書好きの人、かわいそう(^^;)。
うちは江戸川区に近いから、そちらに予約して借りに行けますからありがたいんですけどね。遠かったら、待つかあきらめるか、ですよねぇ。良かった、江戸川区に近くて(^^)。
あ、江戸川区には「舟を編む」の韓国語版もありました。「배를 엮다」。そのままですね(^^)。一応借りてみます。原作が手元にあるのだから読みやすいかしら?