Quantcast
Channel: ハーちゃんの「ゆらゆら日記」
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3633

沢野ひとし著「真夏の刺身弁当」

$
0
0

 

 

 

イラストレーターでもありエッセイストでもある沢野さんの作品はほとんど読んでいます。

 

この「真夏の刺身弁当」は、今年の3月15日に第一刷発行の本。

 

内容は

 

イラストレーター、エッセイストで自由気ままな旅人・沢野ひとしが、
これまでの人生であちこち飛びまわってきた旅の数々を
じんわりと振り返ったら、本になった。
ひとり旅、山旅、海外長期旅、家族旅……。
そしてそこで出会った忘れがたい人たち。

 

旅の楽しさとわびしさを、おなじみのリリカルな絵と
独特の筆致で綴った28篇のイラスト×エッセイ。
(出版社HPより)

 

28篇のエッセイのうち、タイトルだけでも興味深いのがありますよ。
 
少しだけご紹介すると
 
真夏の刺身弁当
北京の酔いどれジジイ
ウブドの人形
ロスでも迷子
ベーカーズフィールドを目指した
ハワイ島の夕日
ゴミ穴にサヨウナラ
旅が終わり、青春が終わった
 
この最後の3篇の舞台はハワイ島。この島はハワイ諸島でもっとも大きな島で、「ビッグアイランド」と呼ばれているそう。
 
沢野さんの知人の別荘を借りられるので、5年間に数十回も通ったようです。
 
「ハワイ島の夕日」は、美大に入学した娘さんを誘っての旅を書いたものでした。
 
ハワイでは日本の免許証でクルマが借りられるんですね。沢野さんはクルマを、娘さんは50ccのレンタルバイクを借りたそう。
 
娘さんは、大型の食品マーケットに行って、売り場に日本食の豆腐、納豆が陳列されているのに感激して「もうここにずっと暮らしたい」と興奮気味だったとか。
 
「ゴミ穴にサヨウナラ」には、驚くようなことが書かれてありました。
 
つまり、ハワイ島のゴミ処理問題です。
 
ハワイ島ではゴミの収集車が日本のように来ない。どうするかと言うと、車のトランクにゴミを詰めて丘の中腹の大きな穴にほうり投げるそうです!
 
マナーを守らない人は、瓶でも金属でも無造作になんでもかんでも掘った穴に放り込んで行くんだそうですよ!
 
沢野さん親子も、帰国の前日にゴミを捨てに行ったのですが、娘さんが古いトランクを穴に向かって放り投げたときに自分も穴の中に落ちてしまったそうです!
 
沢野さんが助けようにも、自分も引きずり込まれる恐れがある。
 
そこで近くで作業をしていた監視員に助けを求めると、彼はジュラルミンの梯子をすばやく抱えてきて、娘さんはやっと穴から登って来られたそう!
 
ホテルに泊まっていたら知らない問題ですねぇ、こんなことは(^^;)。
 
エッセイストって、だんだん文章がうまくなるけれど、初心者の頃の荒削りな面白さは消えていくことが多いと思うんです。上から目線ですみません(^^;)。
 
沢野さんのエッセイはそうではなくて、どんどん洗練されてこちらの心に残る作品になって行っていると思います。
 
次の作品が出たらまた読まなくちゃ(^^)。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3633

Trending Articles