深夜のフェリーに乗って真っ暗な海面を眺めるのの何が楽しいのか...。
でも読んでいると、自分が実際に乗船して波に揺られている気持ちになってきます。
それぞれの乗船地のフェリーターミナルもさまざま。立派なターミナルビルのあるところ、プレハブ小屋のようなところもあるようです。
乗客に関して言うと、だいたいは徒歩客は非常に少なくて、0時30分発の「宿毛→佐伯」便に至っては、徒歩客のみならずトラックも乗用車も著者以外はゼロ、ということも!
そのときは係員さんに「夜の海に吸い込まれないでよ」なることばをかけられて「?」となった著者(^^;)。
「貸し切りだよ。今夜の船は。お客さんはひとりだけだから」。
船内施設も船によってかなり違っていて、大浴場のある船(さんふらわあ しれとこ)もあって、外の景色を楽しみつつ湯船に浸かれるそうです(^^)。これは「大洗→苫小牧」の航路。
乗船している時間がいちばん長いのは、20時間の「敦賀→苫小牧東港」航路で、反対にいちばん短い航路はふたつあって、ひとつは「宇野→直島」、もうひとつは「鹿児島→桜島」。
現在、日本で運航されている深夜便(午前0時〜3時発)は14航路になってしまっているそうです。
この本ではその14のすべての航路 ↓を、著者が実際に乗船して本にしてあります。
青森→函館
大洗→苫小牧
敦賀→苫小牧東港
和歌山→徳島
神戸→小豆島
神戸→新居浜
宇野→直島
柳井→松山
徳山→竹田津
八幡浜→臼杵
宿毛→佐伯
博多→対馬
鹿児島→桜島
奄美大島→鹿児島
そしてその「深夜航路」の船から下りた後にも、小さな船旅(今にも消えゆきそうな渡船など)を続けているところも興味深かったです。ふだん、旅番組などでは紹介されなさそうな小島などですから。
あと、著者のマジメっぽい(!?)文章が読みやすかったです。これは私の好みの問題でしょうね(^^)。
写真も多数載っている分厚い本です。しっかり読みました。
ブロ友のN子さんにススメられた「コーヒーが冷めないうちに」は、当分図書館から借りられそうもありません。うちの区の図書館で「蔵書12冊、予約数456件」、お隣りの区では「蔵書27冊、予約数391件」でしたから。
お隣りの区に予約しました(^^)。