「異邦人」なのですが読みは「いりびと」。
検索したら、関西地方でだけなのかな、「地域にゆかりの無い住人」のことらしいです。
物語のあらすじは
たかむら画廊の青年専務・篁一輝と結婚した有吉美術館の副館長・菜穂は、出産を控えて東京を離れ、京都に長期逗留していた。妊婦としての生活に鬱々とする菜穂だったが、気分転換に出かけた老舗の画廊で、一毎の絵に心を奪われる。画廊の奥で、強い磁力を放つその絵を描いたのは、まだ無名の若き女性画家。深く、冷たい瞳を持つ彼女は、声を失くしていた―。
読んでいくうちに、想像もしない方向へ物語が進んでいくので目が離せない感じ? 舞台がほとんど京都なのも魅かれるところです。
京都で出産を待つことになる主人公の菜穂は、子どもの頃から絵に関して恐るべき慧眼の持ち主でもあります。気に入った絵を見つけたら即買い。無名の新人の絵でも、です。
しかし、菜穂の実家も、夫である一輝の実家も経済的に逼迫しています。特に一輝の勤める銀座の「たかむら画廊」はある事件が元で危機的状況に陥ります。画廊の社長である一輝の父の仕事上の戦友でもあったプライベート・ディーラーの沖田が、手付けの5億円と共に消えた、と言う...。
そこで一輝の取った手段というのが(ネタバレですけれど)、なんと「たかむら画廊」の上客でもあり一輝にずっと秋波を送ってきた妻の母、克子と一夜を共にすることでした! 妻の菜穂にバレたらどうするの?って読んでいるこちらまで冷や汗が〜。
そうすることで克子が館長を務める「有吉美術館」の至宝とも言うべきモネの「睡蓮」の絵を売ることに成功し、なんとか画廊の倒産は免れるのですが...。
あらすじに出てくる「まだ無名の若き女性画家」と菜穂の関係もどんどん変化して行きます。
二人の出生の秘密まで明らかになり...。驚きですよ!
なかなかよそ者を受け入れない京都の街。一輝は「異邦人(いりびと)」だったんでしょう。
菜穂だってもしかしたら永遠に「いりびと」であり続けるかも知れないのに、菜穂は東京へは戻らず京都にとどまることを選ぶんですね。
ぶ厚い本ですけどもう一度読み返そうと思います。面白かった...。
次に読む本は、荻原浩著「あの日にドライブ」です。昨日お隣りの区の図書館から借りてきました。
これはブロ友のぬこさんの記事で知りました。自分だけの情報網だとどうしても偏ってしまいます。新聞の書評、そして友人のブログ記事もとてもありがたいものです。
萩原さんの本では「愛しの座敷わらし」しか読んでいないのかな?
おススメの本あったら教えてください。
今日の葛飾区は30度になる予想。今日から当分30度超えみたいです。ツライなぁ(^^;)。