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Channel: ハーちゃんの「ゆらゆら日記」
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流山咲子著「女子刑務所にようこそ」

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昨日も書いたように、日米両国の刑務所で服役した初の日本人女性が書いた本で、先にアメリカで、10年後に今度は日本で逮捕されてしまう、と言う...。

 

本を読む限りではどちらもちょっと気の毒な逮捕、とも思えるような経緯です。

 

まず、グァムでの逮捕。これは著者が観光会社を営んでいた時のこと。雇っていたフィリピンの女会計士が行ったカード偽造、銀行詐欺の名目でした。

 

日本での罪状は、知り合いの金貸しの強盗傷害事件の共謀共同正犯と言うことでした。知り合いが著者の叔父である住職のお寺のお金を目当てに盗みに入った。叔父が小金持ちであることやお寺の見取り図なども教えてしまっていたため、でした。

 

ところで、著者はまずアメリカでの服役生活を先に経験していたのに、本ではまず日本での経験を長く書いています。それには深いわけがあったんですね。

 

よくドキュメンタリーで女性の囚人の1日を追う、と言ったような番組を見ますが、この本を読むと「そんな生易しいものではない!」と思わされますよ!

 

著者はこう書いています。

 

「2年、3年の刑務所暮らしの中で、囚人は自由意思と誇りを濡れ雑巾を絞るように絞りとられて身も心もボロボロになってしまう。ボロボロにするというのが、日本の司法当局が囚人に与える罰なんです」

 

どのように身も心もボロボロになってしまうか。本に詳しく書かれていますから、興味のあるかたは是非読んでみてください。

 

私は前から「刑務所にだけは入りたくないものだ」と思っていましたが、この本を読んでその気持ちはますます強くなりました。

 

一方、著者はアメリカでは、グァムの刑務所、ロサンゼルスのメトロポリタン・ディメンション・センター、ワシントン州のスポーケン刑務所、ケンタッキー州のレキシントン刑務所、最後にウエスト・ヴァージニア州のアンダーソン刑務所(矯正キャンプ)と移動させられています。

 

妊娠していた著者は陣痛を起こしケンタッキー州立大学病院で男の子を産んでいますが、ここで大きな問題が。

 

服役中の女性が子供を産んだ場合、出産後、一親等の肉親、もしくは夫が子供を受け取りに来ない場合、親権を失い、子供は連邦政府がどこかに養子に出してしまうと言うんですね。

 

著者の子供は著者の連れ合いのお姉さんが引き取ってくれることになったそうです。

 

そして最後に行った矯正キャンプはまるで全寮制の女子校のようだったとのこと。リゾート刑務所とも呼ばれているそうです!

 

全体的にアメリカの刑務所はわりと自由がありコミッサリーで化粧品や食べ物も買える。日本とは雲泥の差ですね。

 

著者が言うには

 

「アメリカの考え方は、ここにいるのは油断のならないワルたちである。だから、悪いことに相応のペナルティーは課すが、その他の細々としたことは放っておけ。ただし、ワルといえども同じ人間だから、自発的にワルから抜け出そうとする者に対してはチャンスを与えようということのように思われます。

 

 ところが日本は、ここにいるのは半人前の人間だ。だから、人間としての細々とした躾をして精神を鍛え直す必要がある。部屋を整理整頓し、言われたことを百%できるようにさせなければならないということです」

 

なるほど〜。

 

驚くような話がたーくさん載っていますよ!

 

実は私、小5か6の時に刑務所見学に行ったことがあるんです。学校からクラス代表として派遣されたようですが、何のためにかわかりません(^^;)。

 

覚えているのは、何重にもカギのかかったドアを開けて入って行ったことだけ。

 

刑務所はやっぱり怖いです!

 

おまけ: 「ヘビイチゴ」に黄色の花が咲きました(^^)。

 

 

 


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