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Channel: ハーちゃんの「ゆらゆら日記」
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ヘニング・マンケル著 「北京から来た男 (上下)」

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これを紹介するのは難しいです。ネタバレになる恐れがあるので〜。

 

とにかく時間的、地理的、歴史的に壮大なミステリーであるとは言えます。

 

物語の冒頭は、スウェーデンの小さな村で19人もの惨殺死体が見つかったことから始まります。村人のほとんどが殺されたけれど、3人だけ生き残ったものがいた。

 

殺された10人と殺されなかった3人の違いは?

 

そこに登場するのがこの物語の主人公になる、スウェーデン南部の女性裁判官のブリギッタ。法治国家が機能していないこんな状態で自分が公平で良心のある裁判官でいられるのか、と仕事に疑問を抱いている女性。

 

新聞で自分の母親の養父母が惨殺事件の村の住人であったことを思い出したブリギッタ。この事件に首を突っ込んだために命までねらわれるようになります。

 

と書くと物語は単純そうですが、とんでもない。

 

話は突然1863年の中国に飛ぶわけです。

 

貧困にあえいいた3人の兄弟が広東でだまされてアメリカに連れて行かれ、大陸間横断鉄道敷設のために苛酷な労働をさせられることになります。

 

はたして、この兄弟の話が惨殺事件とどうかかわって行くのか?

 

 そしてそこに現在の中国で暗躍する人物が登場。そのもくろんでいるところは、中国の貧しい農民を豊かなアフリカ大地に送り込む、ということでした。植民地化ではない、と言いながら。

 

これに反対する彼の姉の運命は...。

 

途中で「もしかしてこの事のために19人は殺されたのか」と推測したりもしましたが、そのあたりからドキドキする展開になって行きました。

 

長いミステリーですが、翻訳が素晴らしいので長さは気になりません。面白かったです。

 

これ、ブロ友のazukinakoさんの記事で知った本です!

 


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