同じ著者の3冊目です。
「声」というタイトルはなぜ付けられたのかな、と思ったら、殺された男の子ども時代の経歴から来ていたのでした。
この世の物とは思えない素晴らしいボーイ・ソプラノの持ち主だった男。
前の2作と同じく、殺人現場から物語が始まります。
アイスランドの首都レイキャヴィクで二番目に大きなホテルはクリスマスシーズンでにぎわっています。
その地下の小部屋で死んでいた男はこのホテルのドアマン兼なんでもや。このシーズンらしくサンタクロース役をするためにサンタの服装をしたまま殺されていました。
すでにこのホテルからは解雇されていたにもかかわらず、地下の汚い小部屋に住み込んでいた男を誰が殺害したのか?
主人公のレイキャヴィク警察犯罪捜査感のエーレンデュルは、周りの同僚たちが「どうしてこんな事まで調べるのか?」というほど、殺人にかかわりがあるかも知れないことを綿密に調べていきます。
登場人物も多く、怪しい人が多数現れますが、犯人は意外な人物、意外な犯行動機を持った人でした!
エーレンデュル自身もそうなのですが、子ども時代の経験がその後の人格形成に深くかかわっているのではないか、と思わせる文章も多く見られます。
また、私がよく知らないアイスランドという国について、登場人物たちの会話や行動からチラッと情報をもらえたりもしました。
狭い国なだけに他の人と違うことを嫌う。そのために学校でのイジメなども起こるようです。
ここ数日で読んだ3作品しか図書館では見つけることができませんでした。もっと日本でも出版されると良いのですが(^^)。