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Channel: ハーちゃんの「ゆらゆら日記」
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柳田由紀子著 「アメリカン・スーパー・ダイエット」

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なぜこの本を図書館から借りたか、と言うと、先週読んだ椎名誠さんの 「お腹が空いた ハラペコだ。」 に載っていたアメリカの肥満の話が恐ろしく興味深かったから。

「これまでの最高のデブは体重五百キロの男性で、つまりは〇・五トンだ。この人はもう当然自分では歩けなく、病気になっても自室のドアから出ることができず、ドアを破壊して病院に行ったという。
 カウチポテトなんて言葉があるように、ずっとソファに座っていろんなものを食い、飽きるとそこで寝ていた体重が三百キロの女性は体とソファの繊維が溶解一体化してしまった、という。溶解して妖怪になっちまったというホラーみたいな本当の話があったそうだ」

ドアを壊して運び出された男性の映像は、ビックリ映像として見た記憶があります。

ところが著者が取材したところによるとこの男性、二度までも自宅の壁を壊して運び出された、と言うじゃないですか!

詳しく聞くと、子どものころから太っていて、ダイエットに成功するけれど例のリバウンドでまた元の木阿弥、という歴史があるそうです。

本人いわく、自分は 「フード・アディクション(食べ物中毒) だ」 とのこと。

他のいろいろな中毒と同じで、食べ始めたら止められない。家族にひもじい思いをさせようが公共料金を滞納しようが、そんなことはおかまいなしに食べ続けるんだそうです!

平均的な朝食は、500グラムのベーコンに、卵12個分のスクランブルエッグ。

夕食のポークチョップなら22個から24個。マッシュポテト500グラムは軽く食べる。

マクドナルドでの通常オーダーは、ビッグマックが6個から8個、ラージサイズのフライドポテトが4袋、チキンナゲット3箱、アップルパイ6個。

飲み物は1日にコーラの2リットルを8本がアベレージだったそう!

ところで、肥満関連産業には 「太らせる経済」 と 「痩せさせる経済」 のふたつがあるとのこと。「太らせる経済」 とはファストフードなどによる外食産業で、「痩せさせる経済」 とはダイエット産業のこと。

ところがこの中間にもうひとつ 「太ったまんまの経済」 が存在するんですね。

つまり肥満者用の商品などを販売する産業で、ネットが多いようです。

実際によく売れる商品として

「シートベルト・エクステンダー」 。飛行機のシートベルトが届かない肥満の人用に開発されたもの。

「爪切り」 。長いスティックが付いていて、足先まで手が届かない太った人のためのもの。

便座なども特大のサイズが揃っているそうです。

この本にはさまざまなダイエット法に、それでもダメなら 「胃縮小手術」 ! この手術を受けた人の失敗談も載っていて、ダイエットって簡単にできるものではないなぁ、と思わされました。

そしてアメリカの医療保険問題にも言及しています。

日本の皆保険と違い、アメリカの医療保険はお粗末だそうです。そして肥満者の嘆きは、こういった保険に加入できないこと。

某大手保険会社のマル秘資料によると、この社の加入選考基準に合うのは、「18歳から64歳の女性で身長が158センチの場合、体重45キロから84キロ以内」 の人々のみ、だそうです。

アメリカが肥満大国である大元は、貧困層と豊かでない労働者層だとも言われているようです。経済的に余裕が無い人達は労働時間が長くなる、料理する時間も限られてしまう結果、ファストフードに走る。ジムなどに通う経済的、時間的なゆとりも無いのが現状でしょう。

日本でもだんだん肥満の人が増えて行っているような気がします。実際、私も主人もいつも食事に気をつけて体重をこれ以上増やさない努力をしているわけで (^^;)。

周りにはたくさんの食べ物。これに目をつぶることの難しさ。地球上には飢えに苦しく大勢の人たち。ため息が出ますねぇ...。


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