検索していたら、この本の文庫化記念対談というサイトが見つかりました。ワインに興味のあるかた、面白いと思いますよ (^^)。著者であるお二人、三浦しをんさんと岡元麻理恵さんの対談です。
とても分厚い本で読みでがありますが、ワインについてむずかしく解説した本ではありません。
三浦しをんさんを含む出版関係のかた4人 ( 最初は5人だった ) が、ワイン丁稚 (でっち ) になり、岡元麻理恵先生のレッスンを受ける、という形で 「マイワイン道修行」 が始まります。
まず三浦さんの文章で、レッスンのようすが面白おかしく紹介され、次に岡元先生の解説文がこれまたとても読みやすく書かれています。
なにしろ、三浦さんはじめ皆、「飲むのが好き」 な人たちばかりなので、初回のレッスン時、「舌のうえで転がしたら、この紙コップに吐きだしてください」 と岡元先生がいくら言っても、「そんなのもったいない」 と全部胃におさめへべれけになってしまう (^^;)。
全17回のレッスン中、どれほど岡元先生の嘆きのため息が聞かれたことか...。
ところで肝心のレッスン内容ですが
ワインの色
ワインの値段
ワインの舌触り
ワインを飲む器
泡を感じる (1)
泡を感じる (2)
ワインの温度
自然派ワイン
重いワイン~ホットワインのつくり方
ワインの香り (1)
ワインの香り (2)~白ワイン
ワインの香り (3)~赤ワイン
世界品種を味わう~シャルドネ
テロワールとワイン
ワインの味を表現する
ワインと料理のマリアージュ
特別編~ワインパーティーを楽しむ
からなっています。
私はアルコール類は飲まないので、ワインについても無知。ですからこの本を読んで知ったことがたーくさんありました。
三浦しをんさんも、「赤ワインは皮が赤っぽいブドウから、白ワインは皮の色が薄かったり緑っぽかったりするブドウから、つくられるんだと思ってたよ・・・・・」 と言っていますが、私の知識もその程度 (^^;)。
岡元先生がおっしゃるには、「赤ワインは果皮ごとブドウを発酵させます。だから赤い色がつく。白ワインは、基本的には果皮を使いません。ブドウを圧搾して、果汁のみを発酵させます」 だそうです!
では、ロゼワインは?
その答えは
ロゼワインは原則として黒ブドウからつくられるが、製法には主に二つある。圧搾して果皮の色素を搾りだし、あとは白ワインと同じように醸造する方法。
もうひとつは、赤ワインと同じように、果皮を果汁のなかに漬けこむ方法。目的とする色調になったところで、液体部分のみを白ワインと同様に醸造する。
そうだったのか...。
それからこれも私の無知の一つでしたが、「シャンパン ( 正式名称はシャンパーニュ ) 」 は、フランスのシャンパーニュ地方で、厳しい規定をクリアしてつくられた発泡性ワインのみを指すんだそうですね!
本には 「ドンペリ ( ドン・ペリニョン ) 」 についても詳しく載っていますよ (^^)。
タイトルにある 「黄金の丘」 とはなんぞや?
それは、フランスのブルゴーニュ地方のディジョンから南北に連なるふたつの銘釀地、コート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌを合わせた名称で、ブドウ畑が秋になると紅葉して黄金色に輝くことから、この名がつけられたと言われているそうです。
17回のレッスンが終わっても、結局銘柄はひとつも覚えられなかった三浦さん。
「超初級者」 を自認する三浦さんが手に入れた、「ワインをより楽しむためのコツ」 は以下の通り。
1. 「好みだな」 と思うワインを見つけたら、使われているブドウの品種を覚えておく
2. 好みのワインを飲んだときに、印象的な香りや味わいをなるべく言語化して記憶しておく
「あとがきにかえて」 の中で、岡元先生はこんな言葉を書き残しています。
最後にひとこと。本書の中では 「黄金チーム (丁稚たちのこと ) 」 に 「おいしい」 という言葉を禁じてきました。ここにきてこんなことを申し上げるのは心苦しいのですが ( ワイン修行中の仲間なら話は別 )、会食しているときにワインのコメントをソムリエのようにするのはエチケット違反です。コメントは頭の中のメモに書き留めておいてください。宴の主役はワインではありません。主役はあなたを含めた会食者全員です。
ワインを飲まなくてもある程度の知識はあったほうが良いですよね。そういう意味でこの本、知識も増えるし読んでいて楽しい本でした。