50人の作家それぞれの作品の中から10冊ずつを選んで紹介されていましたが、私、その作家たちの作品、ほとんど読んでいないのにあきれました。
たぶん私が、自分の好きな作家のものばかり選んで借りているせいなんでしょう。
有川浩さんのものは珍しく読んだものがあって、「阪急電車」 と 「三匹のおっさん」 が10冊の中に入っていました。
それの一番最初に紹介されていたのが、この 「植物図鑑」 だったので、借りて読んだわけなんです。
短い紹介文は、
ある日、道ばたに落ちていた彼。野に育つ草花に託して語られるラブ濃度100%の恋愛小説
だったんです!
「野に育つ草花」 という文句も、「ラブ濃度100%の恋愛小説」 というフレーズも気になったので~(^^;)。
仕事帰りに自分の住むマンションのポーチの植え込みに黒いゴミ袋を見つけた主人公 「さやか」。
ですが、ゴミ袋に見えたのは行き倒れていた若い男でした。
「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか」 なんてことを言います!
「咬みません。躾のできたよい子です」 なんてことも。
結果、さやかは男を家に上げてしまい、奇妙な同居生活が始まるわけです。
放浪の果てにお金を使い果たして行き倒れていたその男は、「樹 (いつき)」 という下の名前しか教えてくれません。
しばらくして樹はコンビ二のバイトを始め、さやかの住まいの狭い庭にツルを伸ばした植物が 「ヘクソカズラ」 だとさやかに教えてくれます。
そうして二人は 「狩り」 と称する野生の食べられる草探しに出かけるようになります。
狩った植物は、樹によって料理され食卓をにぎわせるんですね。
たとえば、こんなメニュー。
ワラビのお味噌汁。ワラビのおひたし。イタドリの中華風炒め。ユキノシタの天ぷら、などなど。
さやかは樹が好き。でも樹の気持ちはわからない。
でもあることがきっかけで恋人同士になった二人ですが、ある日、さやかが帰宅すると、封筒が。
その中には一筆箋が1枚。「ごめん。またいつか」 という言葉が書かれていました。
でもまだ希望はある。なぜなら合鍵のうちの1本を樹が持って行ったから。もしかして戻る気はあるのではないか...。
ところがしばらくしてまた封筒が。その中には鍵と 「ごめん。待たなくていいです」 と書かれていました。
それでも私は待つ、と決心したさやか。
さてエンディングはどうなるでしょうか?
私の興味のある野草、雑草がいろいろ出て来るお話で、どんなところでどうやって採るか、どうやってアクを抜いて料るか、が面白かったです。この 「料る」 という動詞が何度も出てきましたよ (^^)。
道を歩いていたり、クルマが赤信号で止まったりすると、道ばたの雑草に目が行きます。どうも園芸種よりも雑草のほうが好きなようです (^^;)。