あらすじは
行方不明になった姉。真偽の境界線から、逃れられない妹――。あなたの 「価値観」 を激しく揺さぶる、究極の謎。私だけが、間違っているの?13年前に起こった姉の失踪事件。大学生になった今でも、妹の心には 「違和感」 が残り続けていた。押さえつけても亀裂から溢れ出てくる記憶。そして、訊ねられない問い――戻ってきてくれて、とてもうれしい。だけど――ねえ、お姉ちゃん。あなたは本当に、本物の、万佑子ちゃんですか? 待望の長編、刊行! (Amazonの紹介文より)
大学2年生になった結衣子は、母のお見舞いのため故郷の三豊市を訪れます。三豊駅に着くまでに語られるのは、「えんどうまめの上にねたおひめさま」 の童話にまつわる結衣子と姉の万佑子の思い出。
本を読むことが好きな姉は妹にたくさんの童話を読んでくれた。その中で 「えんどうまめの上にねたおひめさま」 だけを思い出すのは、当時は理解できなかったお姫さまの気持ちを、痛感させられる出来事が起きたから。
結衣子が小1、万佑子が小3の8月5日、姉の万佑子は行方不明になるのです。
その事件と現在が代わる代わる語られるし、どうも現在は姉の万佑子はもどって来ているらしい。読んでいるうちに、本当は万佑子は行方不明のままで、今いる姉の姿は結衣子の幻覚なのか、なんて疑ってしまいました。
ところが読み進めて行くと、行方不明からきっかり2年後に姉は発見されるんですねぇ。
ガリガリにやせ細って発見された姉は入院して、結衣子もすぐには姉に会えません。やっと会えたのは2週間後のこと。
記憶喪失と考えられていた姉は奇跡的にも妹を見て 「結衣子ちゃん」 と妹の名前を口にします。
それなにの結衣子は、この人が姉の万佑子ではない、と疑い続けるんですね。直感、というものでしょうか?
父方の祖父が、「DNA鑑定をしてもらったら」 という提案をすると、姉 (らしき人) は、「私、それ、調べてもらいたい」 と言います。ここの両親の娘であることに自信があったわけです。
結果、たしかに姉らしき人は、結衣子の両親の娘であることが証明されました。
「でもこの人は行方不明になる前の姉と同じ人なのか?」 という疑問が消えません。
小さなえんどうまめの上に寝たお姫様のように、ずっと違和感を抱いていた結衣子は、母のお見舞いに行くための今回の帰郷でやっと真実を知ることになります。姉が戻って来て11年目にやっと。
でも本当のことがわかっても、結衣子の胸からはえんどうまめの一粒の感触が逃げて行きません。
「本当の家族って? 本当の姉妹って? 本ものって、何ですか」 の答えは出て来ないようです。
今日は主人のリハビリのために歩いて買い物に行きました。今夜は 「みぞれ」 の予報が出ているのが 「そうかも」 と思えるくらいの寒さでした。
ここのところ毎週末、こういう予報が出ているんですね。
主人は 「どうせ降らないよ」 とキッパリ言っておりますが (^^;)。