内田洋子さんはイタリア在住のエッセイストで、「ジーノの家 イタリア10景」で、日本エッセイストクラブ賞、講談社エッセイ賞をダブル受賞した人。
どこかでこの著者の本のことを知り、もう5冊ほど読みました。
「カテリーナの旅支度」
「皿の中にイタリア」
「ジーノの家 イタリア10景」
「トマトとイタリア人」
「ミラノの太陽、シチリアの月」 です。
著者と彼女を取り巻く人々、友人だったり、近所の人だったり、仕事関係の知り合いだったりにまつわる話しを書いているのですが、文章が静かな感じがするんです。なぜでしょうか?
この本では特に、犬や猫に関するエピソードが多いな、と思いました。
まず最初の章では、著者が子犬をもらいに行く場面から始まりますし、同棲していたカップルの男性が家を出て行ってしまう、ところが置き土産があった、それが猫だった、という話しや、猿を連れて仕事先に現れる若者の話しだったり。
過去に読んだ著書の中で、彼女がミラノから山奥に引っ越したのを知っていました。
その時の気持ちを著者は以下のように書いています。
「こぢんまりと暮らすうちに、日々の自分なりの決まりごとができ、くり返しに慣れ、楽ではあるのだが、ある日ふと、噛み飽きたチューインガムのように感じるときが訪れる」
そして、ミラノから南西に三百キロほどの山地で、電車は通っていない山腹の家を見つけ移り住みます。ところがそこは電話も通じない。肝心の電波塔が無かったから!
そのあたりのことは、今回ご紹介する本より前の著書に詳しく書かれています。
それで私は、著者がその後もずっと山での暮しを続けているのかな、と思って今回検索してみたら、今はまたミラノに戻っていらっしゃるようです。
こちらに「イタリアの引き出し」というエッセイが連載されているのでわかりました。こちらでも十分に著者の文章の素晴らしさを味わえると思います。
ミラノの気候ってどんなものかよく知らなかったのですが (
大昔に1度訪れたきり)、彼女はこう言っています。
「厳寒に雨、雪、凍結、強風に花粉、風塵、酷暑、日照り、蚊の襲撃。冬と夏との温度差は、激しい年では五十度を超える」
そうだったのか...(^^;)。
ところで、今週末からシルバーウィークですね。人によっては5連休! そして次に5連休になるのは2026年だそうです。生きているかなぁ...(^^;)。
うちは今のところ、お墓参り、母に会いに行く、くらいしか予定はありません。