図書館の新刊案内から選んで借りた本です。
字幕翻訳家って興味がありますねぇ。
字数にすごく制限がある、とは聞いていましたが、そんな簡単なものではないようです。
まず注文が来て実際に翻訳を始めるまでに2日間、ある作業を行う。 その後1週間程度がいわゆる翻訳の作業。 そしてその後また各種の作業があり、15日目くらいに 「初号試写」 が行われる 。これが一連の作業工程だそうです。
なんと短い期間に情熱を傾けるお仕事なんでしょう!
いろいろ字幕をつけるに当たっての苦労話しが書かれていて、紹介したい内容がたくさんあるのですが、その中で特に気になった部分だけ取り上げてみます。 必ずしも字幕に関することとは言えませんので、著者に申し訳ないのですが (^^;)。
「昔はものを日常的に書く人間は限られていた。 しかしメールやブログの普及で、今はみながこぞって書き始めた。 その結果、誤字脱字、文法破綻、論理爆裂、句読点規範大逸脱、改行ゼロで黒山の文字だかり」
「彼らは文を書いているのではなく、しゃべっているのだろう」
「自分はしゃべっているつもりでも、相手は文章として読むからそこに齟齬が生じる。 その結果、きまずくなったりする事件も起こる」
それから 「ボキャブラリーを豊富にして文章力を高めるためにはどうすればいいのか」 という質問の答えとして、著者は次のようなことを薦めています。
「まずはたくさん幅広く読む。 どうにもなじめない本があっても、なぜなのか考えてみる」
「文章を書くうえで最も奨励したいのは推敲。 近年、メールでもブログでも書きっぱなしの文章が多い。 文章はできれば手書きで書く。 すると慎重に書くことになるから」
耳の痛いご指摘ばかり。 心がけて文章を書かねば、という気持ちにさせられました(^^)。
そして最後に著者は自分の字幕屋人生を振り返ってみて 「人生は計画どうりには行かない。 無計画なのも良いのではないか」 と結んでいます。 これにはちょっと考えさせられました。
そうですよねぇ。 計画を立ててもそううまくは行かないことのほうが多いですからね。 計画を立てるから挫折した、という意識が芽生えるんでしょう。 最初から無計画なら、何が起きても動じないでしょうからね (^^)。
おまけ: うちの写真で作った切手シートで~す。