図書館の新刊案内から選んで借りた本 ↓です。
まず表紙の絵がキム・ホンドのもので 「風の絵師」 で見慣れている絵でした。
本文でも彼の作品やシン・ユンボクの作品が登場します。 芸術的に鑑賞するのではなく、彼らの絵からこの時代の文化を知るため、ですね。
朝鮮王朝は518年続きましたが、この本では朝鮮時代後期、18世紀を中心に庶民生活を取り上げています。
私は韓国ドラマのうちで 「史劇」 というものはほとんど見ていません。 見ていらっしゃるかたは、このドラマはいつごろの時代のもの、という風におわかりになるんでしょうね。
まず驚いたのは、奴婢という身分の人たちが、16世紀には全人口の30~50%も占めていたことです。 朝鮮半島では三国時代から奴婢という身分が存在したそうですが、どのようにして発生したのか気になるところです。
その他に 「首都・漢城」 「朝鮮時代の衣・食・住」 「漢城庶民の生活事情」について詳しく述べられています。
今では整備されてソウル市民の憩いの場になっている清渓川の付近は貧民たちの住む場所であったこと。 たびたび氾濫・洪水をひきおこし、歴代の王たちの頭痛の種であったことは興味を引かれます。
前に図書館から借りた、パク・テウォン著 「川辺の風景」 がこの清渓川沿いの庶民の生活を描いたものでしたが、こちらは植民地時代のお話しでした。 このころにはだいぶ良くなっていたでしょうけれど、まだまだ現在の清渓川とは似ても似つかない風景だったと思います。
私は 「風の絵師」 という小説の大ファンですし、背景がちょうどこの時代なので出て来る単語に馴染みもあって、とても勉強になりました (^^)。