おとといの深夜、テレビに「速報」の文字が出ました。「?」と思っていたら、なんと「オバマ大統領がキューバと国交交渉へ」ですってぇ!
ビックリして思わず「ええー!」って声を出してしまいました。
昨日の報道によると、これにはローマ法王が仲介の労をとっていたとのこと。これにも驚きですが。
政治的なことよりも私にとっての最初の感想は「今のキューバは今行かないと見られなくなるなぁ」ということでした(^^;)。
どうしてキューバに興味があるかと言うと、タイトルの映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」を何度も見たからです。
今朝の天声人語 ↓にもこの映画の名前が挙っていました。
そして、その映画を見たきっかけと言うのが、この本 ↓。立川志の輔著「志の輔旅まくら」という文庫本でした。
その本の最初のページで書かれているのが「キューバ、ブエナ・ビスタ」の項 ↓だったのです。
志の輔さんがこの映画を実にうまく解説してくれているので、引用させていただいちゃいます。
アメリカにライ・クーダーというミュージシャンがいまして、シンガーソングライターというとすごく軽い感じに聞こえますが、とてもセンスのいい人なのですよ。さまざまなジャンルの音楽に精通していましてね。彼がある時、キューバの、もうなくなってしまったクラブ、その名も「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」に集まっていたミュージシャンたちが非常に高度な演奏をしていたということを知って、彼らに会いたいと思ってキューバに行くところから始まる映画なんです。
各ミュージシャンの人生がワンショットで流れていく。最年長が九ニ歳のギタリストで、平均年齢も七十歳くらい。彼らの音楽にはキューバの血が脈々と流れております。
いい顔したミュージシャンが、八〇歳を過ぎているのに葉巻をパアーッパアーッと吹かしながらね、「オレの人生そのものが、恋だった」なんて吐露する。一段落するとまた演奏が始まるのでございます。
いまはなきクラブのミュージシャンたちを訪ねて訪ねて、生きている人をみんな集めて、最後はニューヨークのカーネギーホールでコンサートをやるんです。
といった具合。
この映画、何度も見ました。演奏、ミュージシャンたちの表情、背後に写るキューバの風景。どれも素晴らしいです ↓!
キューバも社会主義国だから身構えるところがあったそうですが、その陽気さに度肝を抜かれたとのこと。
ただその時のコーディネーターをつとめた女性がキューバの人と結婚している女性で、志の輔さんと別れる時にこう言っているんです。まるでアメリカとの国交正常化交渉を見抜いていたのかな、と思えるような発言なんです。
カストロが亡くなって資本主義に変わっていくかもしれない、でも急激に変化すると、五ペソで暮らしてた人たちがみんな暮らせなくなる。社会の変化が起きても、餓死する人が出ないように。キューバが良い方向に変わっていくのを見届けて、ここで死にたいなと思っています。
って。
この映画やテレビの報道番組などで見るキューバは、貧しいけれどなんとか人々は明るく生活している。建物はみな古く、走っているクルマも何十年前のもの?と思うような風景。
きっとすべて変わっていってしまうんでしょうねぇ。