私が「おだまり、ローズ 子爵夫人付きメイドの回想」という本を読んでブログに書いたら、すずさんが、「イギリスの階級制度が顕著に描かれているから」と、これら4冊を送ってくださったわけです。
「ふんわり狩人」と「レディ・ギネヴィア」は、シリーズと言っていいのかな?
「皇妃エリザベート」については、断片的な知識しかなく、このマンガを読んで改めて知ったことがたくさんありました。
「うたかたの恋」のルドルフが、エリザベートの息子であったこと、バイエルン王、ルートヴィヒ二世が、エリザベートの幼なじみであったこと、などなど。
「うたかたの恋」では、ルドルフは恋人と心中したことになっていましたが、このマンガではルドルフは政治的な陰謀のために暗殺されています。著者のことばによると「息子のルドルフの謎の多い死について、この本では原作の示唆する方向で描いてみました」とのこと。
エリザベートを端的に表すのは、「悲劇の皇妃」ということばでしょうか。
野性的な美少女だったエリザベートの運命を変えたのは、姉がオーストリア帝国の皇帝、フランツ・ヨーゼフとの見合いの席に出席せざるを得なかったことでした。
皇帝は、慎み深く礼儀正しい姉のヘレーネよりも、野性的で神秘的な乙女、エリザベートに一目惚れしてしまったからです。
きびしい礼儀作法ずくめの宮廷生活。彼女が生んだこどもは皇帝の母のもとに預けられ、自分の手で育てることも許されない。そして、続けて女の子を二人生むと、「男の世継ぎも生めない皇后」とさげすまれる。
しかし彼女にとっての最大の打撃は、1人息子のルドルフの死だったことでしょう。
そして60才になったエリザベートは、旅先、レマン湖のほとりで暴漢に襲われて亡くなります。
エリザベートを題材にしたミュージカル、宝塚なども知っていましたが、こんな一生を生きた女性だったとは!
あとの3冊も、読み始めたら夢中で読んでいました。
子どものころ、少女マンガが大好きだった私からすると、著者の絵のスタイルがなじみ深いタッチだったせいもあるかな、と思いました(^^)。