そうしたら本当にそのほうがストーリーに没頭できました。
それでもやはり日本語の本を読むのに比べて10倍の時間はかかります(^^;)。まだ英語のほうがずっと読みやすいですねぇ。韓国語を読む量が足りない、ということでしょうねぇ。
内容は、20才のファヨルという女の子の話です。
ネコ嫌いな町内の人たちの目を気にしつつ、野良猫にエサをやって回るファヨル。
5才のときに父親は失踪して行方知れず。母親もアメリカに行ってしまい、物語の途中までやはりどこで何をしているかわからない状態です。
彼女を精神的、物質的にささえてくれるのは、母方のおば一家、サイトで知り合ったネコ好きの人たち。そしてやはり野良猫を通じて知り合ったボーイフレンドなど。
読んでいると自分がその20才の主人公になったような気持ちになります。なかなか暮らして行くのは大変なように見えるけれど、でもふんわかした読後感。
これはファヨルという女の子の性格のせいもあるかも知れませんね。
韓国語のほうを読んでいて、野良猫を里子に出す場面で泣いてしまいました。涙が流れてきてしまいには鼻までグスングスンとなってしまいました。
ちょっとだけ韓国語で書き写します。
미안해, 아비. 다 너를 위해서야. ......처음에는 너 ,나 무서웠지? 언제부터 너랑 친해졌을까. ......얼마나 예뻤는지 아니? 네가 아주 많이, 많이 그리울 거야. 네가 없는 비탈이라니 얼마나 허전할까! 그래도 네가 행복한 게 더 중요하지! ......아비, 난 알아. 네가 같이 살고 싶어하는 사람이라는 걸. 그렇지만 난 그럴 형편이 못 되는걸. 미안해, 아비, 미안해. 미안해,아비.......
アビシニアン種の「アビ」をつかまえて、貰い主にところに連れて行ったときの主人公「ファヨル」の心の中...。
できることなら自分が飼ってやりたいけどそれはできない。いじめる人がいなければ野良猫たちと一緒に暮らすのが1番なのかも。でももらわれたら、冬の寒さとも飢えともさよならできる。良い人にもらわれるのだからごめんね。っていう心境でしょうね。
このへんのファヨルの気持ちは、著者が実際に同じこと(野良猫の世話)をしているからこそ、こちらにも伝わってくるものがあるのでしょうか?
日本語版の翻訳、上手ですねぇ! って、プロに対して失礼な言葉かも知れないのですが(^^;)。
私が「なるほどなぁ!」って感心した細かい部分がたくさんあり過ぎて、いちいちお伝えできないのが残念です。自分が訳したらこうはならないな、頭が固過ぎるなぁ、と反省することしきりでした(^^;)。
私が飼っていた猫の毛色、獣医さんから「べっこう」と教えられてそう思っていたんです。ツイ友のすずさんは「サビ猫」と言うのだと教えてくれました。
この本でも「サビ猫」になっていました。元の韓国語は「검은색과 갈색이 섞인 카오스」になっています。「黒と茶が混じったカオス」ですって!
「카오스 고양이」で画像検索すると、サビ猫の写真がたくさん見られますよ(^^)。
それから、ファヨルが会員になっている、インターネットのミュニティサイト「笑うネコのお隣さん」は、韓国語では「고양이 웃네」となっています。
「ネコが笑ってるね」くらいの意味でしょうか。「笑うネコのお隣さん」かぁ。うまい訳ですよねぇ。
それから、そのサイトのメンバーである「ミスター・レジェンド」も、韓国語だと「전설 아저씨」なんです。「伝説おじさん」みたいな意味ですね。これも素晴らしい名前になってるなぁ、って思いました。
「ミスター・レジェンド」なら、読みやすいしかっこいいし。
著者のファン・インスクさんは詩人であり、この「野良猫姫」が初の長編小説になるそうです。
「野良猫姫」の中にも、ご自身の書かれた詩が、ファヨルの作品として登場したりします。
表紙ですが、私は韓国語版が可愛くて好き。主人は日本語版がセンスが良い、と言っております。「印刷はどこかな」なんて言って、奥付まで見ておりましたよ!