私がこんなマンガを読むのはおかしいかも知れませんが、娘のところに行ったらあったもので(^^;)。娘も「お母さんに貸そうかと思っていた」そうで。
近頃の妊活(変換しても出ませんでした)について私はほとんど無知です。昔とはまったく違うらしい、くらいの認識でした。
この本を読んで一番驚いたのは「体外受精」がこれほど一般的になっていたのか、ということです。
たしかに、知人のおじょうさんも長い不妊治療の末、体外受精で3人のお子さんを授かってはいますけども、それは少し特別な例なのかな、って思っていたわけです。
でも著者の場合、37歳で子宮がん検診にひっかかったことから、妊娠を意識し始めたそうです。同棲はしていたものの、出産願望が無かったらしい。
そこから怒濤の日々が始まります。
まず「不妊ドック」を受診。各種検査もかなり大変。セックス後、10時間以内に受診しないといけない「フーナー検査」なんて、とんでもなく緊張感ただよう検査のようです!
その後、「タイミング法」をためすも生理が来てしまう。
この「タイミング法」を6回ほどためして、その後人工授精を3~6回して、ダメだったら体外受精とステップアップしていくそうですね。
ところでこれを聞いたご主人、あいだをすっ飛ばしていきなりの体外受精を提案。「一番妊娠できる確率の高い方法で少ない回数で決めるほうがよくないか」って。
その結果、初めての採卵でみごと受精します。
その受精卵を子宮にもどして着床するか、が次のポイントですが、これもクリアー。1回目で着床する率は2~3割だそうですね。
そして不妊治療にはお金もかかりますが、自治体によって違いはあるものの助成金が出ます。東京都で調べたのですが、いろいろ条件があるようです。
著者は出産までに、いろいろな体の変化、切迫流産、出生前検査などを経て無痛分娩で女の子を授かります。
体外受精で思い出したのが、夏樹静子さんの「茉莉子」という小説 ↓です。
乱暴なあらすじを言ってしまえば、日本ではまだ不可能だった体外受精(試験官ベビーと呼ばれていた」をイギリスで行った一組の男女と、その時に凍結保存されていた受精卵で代理母によって生まれた「茉莉子」の話です。
夏樹さんはこの試験官ベビーの問題をミステリー形式で扱った作品で脚光を浴びました。
一組の男女、と言ったわけは、男性には妻がいる、女性は京都の芸妓だったからです。
当時ほんとうに珍しかった体外受精が今のように一般化されるとは思ってもみませんでした。
時代の変化をまざまざと感じたエッセイマンガでした。