久しぶりに図書館の 「新刊案内」 ではなくて 「日本文学」 のジャンルで見つけた本 ↓です。 今年の4月30日、第一刷り発行になっています。
酒井さんの本は何冊か読んでますねぇ 。40代中頃にさしかかったシングルの生活を、切実に、だけど面白く書いている作品が多いと思います。
この本は 「人生後半の初体験」 について書いてあるのですが、その初体験が 「弔辞」 「引っ越し」 「大震災」 「コメダコーヒー」 などなど。
たしかに 「弔辞」 などというものは若い時はあまり頼まれないでしょう。 またこれを初体験しないまま人生を終わるかも知れないし (^^;)。
「弔辞」 を頼まれた酒井さん、頭の中が真っ白になったそうです。
友人を失った悲しみと弔辞のプレッシャーでてんやわんや状態。 そして 「どう書いたらいいか」 「どう読めばいいか」 をネットで検索したのが前日の深夜だったそうです。
葬儀の当日、弔辞を読む順番が来て酒井さんはどうであったか?
一言読み始めた瞬間、悲しみと緊張が爆発し、号泣してしまったのでした。
この 「弔辞に関する話」 は、実は 「はじめに」 に書いてあるお話です。 ここからもう読者は 「うん、面白いに違いないな」 と感じるはず (^^)。
この本では大震災前後の話もかなり出てきますが、酒井さんは 「仕事でもプライベートでもなるべく東北地方へ足を運ぶようにしている」 そう。
酒井さんの文体の特長として 「です、ます体」 と 「だ体」 が混在していることが挙げられると思います。 ちょっとリズムが変わるんですね。 それも不思議な魅力です。
地味な濃紺の紙の上に、白い和紙をちぎって泡のように見せている装丁もなかなか素敵です。 着物の柄にありそうだな、とも思いました。 タイトルに合わせたのかな?