これは「マカン・マラン」シリーズの第3作目になります。
第1作が「マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ」。
内容は
ある町に元超エリートのイケメン、そして今はドラァグクイーンのシャールが営むお店がある。様々な悩みを持つ客に、シャールが饗する料理とは?
次が「女王さまの夜食カフェ マカン・マラン ふたたび」。
内容は
病に倒れていたドラァグクイーンのシャールが復活。しかし、「マカン・マラン」には導かれたように悩みを持つ人たちが集まってきてーー?
そして今日ご紹介する第3作の内容は
「あなたに、料理は出せないわ」今回マカン・マランを訪れたのは、ネットで悪評をつづるアラサーOL。シャールはそんな彼女に意外な対応をして?
内容はすべて出版社のHPより。
前の2冊も読みましたが、今回読んだこの第3作目の第3話を読んで泣けてしまいました。
次の夜もこの第3話を読んで泣く。次の夜も!
書名で検索していたら、あるかたのブログを発見。そのかたもこの第3話で号泣なさったそうです!
簡単にあらすじを書きますと、47歳になる耀子は夫から離婚話を持ち出されています。理由は愛人の一人が妊娠したから。
東京湾沿いに立つタワーマンションで暮らす耀子は、離婚と言われてもそれほどの心の傷は受けていません。なぜなら夫との結婚を決めたのは、生まれて初めての大きなショックから逃げるためだったから。それに比べたら...。
そのショックとは失恋でした。初めて好きになった相手に告白しようと思った矢先、彼を恋敵に盗られてしまったのです。その恋敵というのが、まず誰も想像できないだろう相手なんですよ!
夫が提案してきた離婚式に着るドレスをシャールに作ってもらった耀子。
その離婚式で耀子はだんだん自分の居場所が無い気がしてきます。目の前では夫が愛人の一人である女性と抱き合いながらダンスをしていますし。
そんな時、離婚式会場に現れたのは...。
この著者、文章が上手。読んでいるうちに1話ごとの主人公の姿が脳内に現れるんです。
読んだ翌日もその余韻が残っている、そういう本は年間を通しても数少ないですね。
心からおススメです!
ところで、第1作目を読んで思い出したのは、成田名瑠子著「東京すみっこごはん」↓。これは友人のN子さんが贈ってくれたもの。
ある町の片隅に目立たなくひっそりと存在するお店。そこには現在の自分に苛立ったり悩んだりしている人たちが引き寄せられるように集まって来る。まずここが似ています。
「東京すみっこごはん」の場合は、メンバーがくじ引きで当番を決めて家庭料理を作りみんなで味わう。
一方、この「マカン・マラン」で出されるお料理は、店主のシャールが作る、マクロビオティックと漢方を自己流にアレンジしたもの。
シャールは相手の悩み、性格などを考えてそれに合ったお料理を作るんです。ほとんどお野菜と香辛料で。
庭の「フジ」が本当の満開になりました ↓。近寄ると良い香りがするんですよ(^^)。ハチもブンブン言ってますけども。