またまた三浦さんの本を読みました。ばけQちゃんがお読みになったとおっしゃっていたので。
本当した。これもボロアパートの住人が登場する小説です。
この本でのボロアパートは、東京の世田谷代田にあるらしい今にも崩れそうな木造二階建てのアパート。広々とした庭には、生け垣がわりの雑木が生い茂り雑草もいきいきとはびこっている。そして灰色の中型の雑種犬もそこの住人らしい。
章ごとに主人公が入れ替わりますが、7つの章のうち住人が主人公になっているのは4つですね。
第1章では、繭が新しい恋人伊藤とアパートにいるところに、3年前に突然姿を消した並木が現れる、という場面から始まります。
第2章では、娘が出産して実家にもどって来たのを契機に自分のボロアパートの一室に入居した大家の木暮の話しです。ある事件をきっかけに猛烈にセックスがしたくなった木暮は、伊藤の提案でデリヘルに挑戦します。「おしゃべりコース90分」でやってきた千夏と一緒にいるところに、なんと妻が登場。
などなど、いろいろな事件があるわけですが、住人が微妙に絡み合いながら小説が進んで行きます。
それぞれの章のエンディングは、はっきりした結末ではないので、読む人に「これはどうなるのだろうか」を考えさせる本ですね。
でも重くはないです。ドラマ化は...むずかしいかなと思いました。心理描写がねぇ。
三浦さんはエッセイもたくさん執筆していらっしゃるみたいですね。この次はそちらのジャンルにも手を伸ばそうかと思っています(^^)。