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Channel: ハーちゃんの「ゆらゆら日記」
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三浦しをん著 「風が強く吹いている」

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私が箱根駅伝に興味があるのを知ったブロ友、Cっぴーさんが教えてくれた本です。ホント、双子も登場してました(^^)。




コンビ二から菓子パンを万引きした走(かける、と読む)は、素晴らしい走りで逃げ去ります。ところがずいぶん走ったところで後ろから声がします。「走るの好きか?」って。

声をかけたのは、これから走が入学する寛政大学の4年生の清瀬でした。彼は住むところがなくて寛政大学で野宿をしている走を、自分の住む木造ボロアパートに連れて行き、最後の空き室に彼を住まわせるのです。

ボロアパート「竹青荘」には、清瀬の他にすでに8人が入居していました。

走が入ってちょうど住人は10人。そこで清瀬は面々に「一緒に箱根駅伝に出よう」と、無理難題を押し付けるわけです。なぜって、走った経験のあるのは清瀬、走、それにニコチン中毒のニコチャンの3人だけなんですから。

イザコザが続きますが、なんとかみんなで協力することになります。

箱根駅伝に出場するにはいくつかの条件をクリアーしなければいけません。10人はまずそれに挑戦。なんとか出場資格を手に入れます。これだけでもスゴいこと!

最後のフィナーレの箱根駅伝。10人がそれぞれ自分のまかされた区間をいろいろな思いで走ります。5区の小田原から芦ノ湖までの山登りを走る「神童」は高熱で意識もうろうとなりながらゴールにたどりつきます。

リーダーである清瀬は10区。実は清瀬は高校時代に足を痛めており、今回も走る直前に痛み止めの注射を打ってもらう状態。このまま大手町まで全力で走れば、もうランナーとしての未来は無くなってしまう。でも走にはもう清瀬を止めることはできません。

10人が走ったりケンカしたりする間にも、淡いロマンスみたいなもの(双子と走がからむ)、そして走の高校時代の事件も少しずつ明かされながら話しが進んで行きます。

エピローグは4年後。明日は竹青荘が取り壊されるという晩。メンバーや、この春、陸上部に入部予定の新一年生などが集まっています。走は新一年生に言います。「清瀬は1つのことをのぞいてすべて教えてくれた」。その1つのこととは「走ると
何なのか」でした。

来春、箱根駅伝を観戦するとき、きっとこの小説のいろんな場面を思い出すだろうな、と思っています。

走る、って素晴らしい! 私がもっとも苦手とする運動分野だから余計に走れる人を尊敬の目で見てしまうのかも知れません(^^)。


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