N子さんに頂いた「御宿かわせみ」の第一巻と第二巻、第三巻を読みました。
この小説のあらすじは
江戸の大川端にある小さな旅籠「かわせみ」。そこに投宿する様々な人たちをめぐっておこる事件の数々。その渦の中に巻きこまれながら、宿の若い女主人るいと恋人神林東吾の二人は、互いに愛を確かめ合い、次第に強く結ばれていく...江戸の下町情緒あふれる筆致で描かれた人情捕物帳。
なにしろ私がこのドラマをNHKで見たのが38年前になるんですねぇ。ですがその前、1973年に「東芝日曜劇場」で「秋の螢」というタイトルでドラマ化されていたんだそうです。
私が見たのはずいぶん前のことだし、それも全回見たわけではないので、私がドラマから受けた印象と本とでは少し趣きが違っていました。
まず、主人公の「るい」と「東吾」の出会いから書かれていたわけではありませんでした。二人が深い仲になってから1年後からこの小説が始まっていました。
「るい」は八丁堀で鬼同心といわれた父親の娘。三年前にその父親が亡くなり、家督相続を放棄して町家暮らしを始めました。それが「御宿かわせみ」。
一方の「東吾」の兄は吟味方与力。次男の「東吾」は今のところ次男坊の冷や飯食い。
愛し合ってはいても正式に結ばれるのには難しい二人。「忍ぶ恋」なんて言葉も作中に出てきました。
「東吾」は「かわせみ」の亭主になることもいとわないと言うけれど、「るい」としては、将来、子どものいない兄夫婦の養子となり与力の職を継ぐはずの「東吾」にそんなことはさせられない...。
小説では1章ごとに事件が起きます。「東吾」は、親友であり、定廻り同心でもある「畝源三郎」の片棒をかついで、市井の小事件にくびを突っ込んでは解決して行きます。
でも、解決と言ってもハッピーエンドは多くありません。犯人の自死で終わることもあります。
驚いたのは「るい」が、ただの旅籠の女主人と言うだけではなく、小太刀の遣い手であること。そして事件に巻き込まれてその小太刀をふるうこともあること! 首を絞められて殺されそうになることも!
江戸時代の小説を読んでいて気持ちが落ち着くのは、出てくる文字にカタカナがほとんど無いこともあるかな、って思います。漢字が好きなのかな(^^)。
そしてその時代の風俗、人々の暮しぶりなどもしっくり来るんですね。
第一巻では「るい」は25歳で「女としては薹(とう)の立ったほう」なんて言われていました(^^;)。この先シリーズが続いたらどうなっちゃうの?って余計な心配をしてしまいました。「東吾」とは結ばれることになるのだろうか、と。
この先はゆっくり一巻ずつ楽しみたいと思います(^^)。
今日の中川左岸の「ソメイヨシノ」↓。
今日は空気が冷たいです。東京は12度までしか上がりませんでした。全国的にも寒い一日でしたね。
それでも東京では「ソメイヨシノ」が開花したそうです! こちらのニュース。例年よりもだいぶ早く咲いたんですねぇ。
中川左岸のサクラはもう少し時間がかかりそう(^^;)。