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Channel: ハーちゃんの「ゆらゆら日記」
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デイヴィッド・グターソン著 「殺人容疑」

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友人の豚ちゃんの記事で、今年がカナダ建国150年であること、同時に真珠湾攻撃の翌年、日系カナダ人が住み慣れた土地、家屋を取り上げられ強制収容されてから75年目の年であることを知りました。

 

日系アメリカ人の強制収容についてはある程度の情報は持っていましたが、日系カナダ人もだったとは初耳でした。無知ですねぇ(^^;)。

 

そう伝えたら豚ちゃんがこの小説をネット注文して送ってくれたわけなんです。こちらの舞台はアメリカの小さな島ですが。

 

あらすじは

 

苺畑の広がるサン・ピエドロ島の沖合で、漁網に絡まった死体が発見された。漁師の日系アメリカ人=カズオ・ミヤモトが殺人容疑で逮捕された。島の陪審員は 根強い人種遍見を抱いている白人たち。法廷内は緊迫するが、第二次大戦で心に深い傷を負った人々が謎の解明に起ちあがる。

 

この原題は「SNOW FALLING ON CEDARS」で、訳すと「ヒマラヤ杉に降る雪」となります。あら、どこかで聞いたことが?

 

そうなんですね。2000年に日本でも公開されたアメリカ映画のタイトルでした。かなり話題になったので私も知っていました。ヒロインを工藤夕貴さんが演じていたんですね。

 

本は文庫本で厚さが2.7cm! 読み終えるのに4日かかりました!

 

新聞社のオーナーのイシュマエルは被告人カズオの妻のハツエの幼なじみ。人からは隠れた恋人同士とも言える間柄でしたが、真珠湾攻撃が起きたためハツエは家族ともども強制収容所に送られてしまいます。

 

そこからハツエはイシュマエルに「あなたを愛していない」と手紙を送ることになりイシュマエルも戦争で日本人と闘って片腕を無くしてしまう。

 

二人の間は恋愛関係と言うには複雑なものがあったような気がします。人種問題もあったことでしょう。

 

別れの手紙を受け取ったイシュマエルはハツエを憎むようになります。

 

ところがイシュマエルはカズオの無実を証明できるかも知れないある情報を手に入れていました。

 

ハツエの夫の無実を証明するのか、握りつぶすのか、イシュマエルの行動ひとつにかかっていました。

 

さて結末はどうなるでしょうか?

 

物語は法廷から始まり、人々の戦前の暮し、島の自然、などが詳細に語られます。

 

もし戦争が無かったら? 裁判も違っていただろうしハツエとイシュマエルの関係も本当の恋愛と言えるものになっていたかも?

 

この本はペン/フォークナー賞を受賞しており、ベストセラーにもなったそうです。

 

日本語訳の本のタイトル「殺人容疑」ってなっているのですが、なぜ原題に近くしなかったのかナゾですね。原題のほうが売れ行きが良かったでしょうに(^^;)。出版社の担当さんが付けたのかな? だったら絶対に男性だな。

 

書店で「殺人容疑」という表紙の文字を見たら、女性なら手にも取らない。「ヒマラヤ杉に降る雪」だったら「あら、どういう内容かしら」と思って手に取りそう(^^)。

 

このように友人が送ってくれたり、ブログやツイッターで情報をくれたりして読む本、多いです。本当にありがたいことです(^^)。


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