今日の本はブロ友のちゃっぴーさんに教えてもらった本で、私は著者の名前も知りませんでした (^^)。
主人公は数えで76歳になる杉浦草という女性。 いつも紬の着物などを着て 「小蔵屋」 という店を取り仕切っています。 「小蔵家」 は古民家風の造りで、和食器とコーヒー豆を商っているのですが、無料でコーヒー1杯飲めるサービスのため、そのコーヒー目当ての客が多いのです。
主人公の年齢やお店のようすなどから、ゆっくりした日常が描かれている話しなんだろうな、と思ったら違いました。
けっこう深刻な事件が起きて、主人公がその歳とは思えない意外な行動をとったりするんですね。 かと思うと、やはり歳なりの分別で、ある事態をじっと見守っていたりもする。
彼女は離婚を経験していて1人息子を婚家に置いてきた過去があります。 そしてその息子は3歳で不慮の事故で亡くなっていて、彼女はいまだにその死に対して責任を感じているのです。
大きな観音像が丘陵に立っている、という描写からすると、小説の舞台は群馬県高崎市ではないかと思われます。 著者が群馬県の大学で学生時代を過ごしたようなので。
それにしても、主人公が76歳の女性って、けっこう珍しくないでしょうか。
使われている漢字の数、句読点、などのバランスも私好みで、しっとりとした印象の短編集でした (^^)。
おまけ: さっきクルマで走っていたら、大きなお月さまが見えて感激しました。 これ ↓です。 十六夜の月。