どうも自分の本になってしまうと読む順番が遅くなる...（＾＾；）。お借りした本、 図書館から借りた本から読む気になりますね。
これはたまさんのkの本棚で韓国から取り寄せた本です。 「天国の少年」 。
「風の絵師」 「根の深い木」 の著者、イ・ジョンミョン作家の新作長編小説です。 これまた分厚い本が上下２巻です。
この本は時代物ではありません。 北朝鮮で生まれ育った数学の天才少年の話です。
ニューヨークで殺人事件が起こり、少年が容疑者として尋問を受けますが、質問に答えることができません。 彼はアスペルガー症候群の患者で他者との関係がスムーズでないから。
殺人現場にいた少年のカバンの中からは、偽造旅券が９枚も出てきます。
それに殺人、詐欺賭博、麻薬取引など１０の犯罪容疑者としてインターポールで手配中の犯罪者であることもわかってきます。
この時点では私は 「少年を陥れようとして誰かがニセの証拠を置いて行ったんだろう」 と思っていたのですが、最後まで読むとそうではなく...。
北朝鮮を密出国 → 中国 → マカオ → ソウル → メキシコ → ニューヨーク → ベルンと、少年の想像を絶する苛酷な旅が続きます。
最初から最後まで、まるでドラマか映画を見ているような気がしました。 息をつかせないと言うのでしょうか。 著者の本がドラマ化、映画化されるのもムリは無いですねぇ（＾＾）。
原書を読んでいると言うと、よほど韓国語ができるんだろうと思われそうですが、まったく違います （＾＾；）。 辞書を引き引き読んでます。
引く回数が昔よりは減った、と言うだけのことだと思うんです。
イ・ジョンミョン作家の文章は難解な文法も無く、語彙さえ豊富ならすらすら読めるでしょう。
主人公が数学の天才的能力の持ち主なので、途中途中に数式などが出てきます。 今、それをじっくり理解するための２度目の読書をしているところです （＾＾）。