「巡礼」 という言葉に弱いようです (^^;)。お遍路さんも気になりますし。
サブタイトルとして 「飲み、食べ、歩く800キロの旅」 となっているように、全行程歩くと800キロにもなる長い巡礼路だそうです。
ただコースは短いものもあり、著者も1回目には300キロのコースを10日間かけて、2回目には500キロを20日で、3回目は800キロを35日かけて歩いています。
ヨーロッパ各地から巡礼者たちがめざすのが、スペインの北西部にある聖地 「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」 という街。
ここは、エルサレム、ローマと並ぶキリスト教の三大聖地のひとつです。
巡礼路は1本ではなく、出発地もたくさんあるそうです。
いちばんポピュラーなのは 「フランス人の道」 ですが、出発地点は、サン・ジャン、パリ、ヴェズレー、アルル、ル・ピュイがあるとのこと。
さらに 「フランス人の道」 以外にも、「北の道」 「銀の道」 「ポルトガルの道」 など、多様な地域と文化圏を越えて行く道がいくつもあるそうです。
コース全体を歩かないといけないか、と言うとそうではないんですね。
巡礼者たちは出発地点で 「巡礼手帳(クレデンシャル)」 を発行してもらい、道中スタンプを集めて行きます。
馬や徒歩の人の場合は最後の100キロを踏破することが義務づけられており、自転車の場合はこれが200キロになります。
そしてサンティアゴに着いたら、大聖堂の近くにある巡礼証明書の発行所に行き、クレデンシャルを見せて基準を満たす距離数を歩いてきたことを証明します。
さらに 「巡礼の動機」 を聞かれたら、「宗教、または精神的なもの」 と答えないと巡礼証明書は出してもらえません。著者の場合も 「宗教的動機」 を選んだそうです。
「巡礼の基礎知識」 「費用と持ち物」 「著者の巡礼旅」、そしてこの巡礼を題材にした映画も紹介されています。
その映画とは、「星の旅人たち」 「サン・ジャックへの道」 です。ご覧になったかた、いらっしゃるでしょうか?
前にも同じような本を読みましたが、ここまで巡礼をする人のために書かれた本ではなかった記憶があります。
何と言うか、著者の 「ぜひ歩いてごらんなさい」 という気持ちが如実に表れた本、という印象でした。
おまけ: 「菊」 が開花しました。友人から苗をもらってもう10年近いでしょうか? 丈夫な植物ですね (^^)。