各章で、美味しいお菓子が登場しますし、レシピまで主人公から披露されます。
主人公はミスターL。1年に一度だけ、「高いところ」 から下りてくる、ウサギの仮面をかぶった男と会います。ハロウィンの日に。
ウサギ男は、「毎日会っちゃダメ?」 と訊きますが、なにしろ仮面をかぶっているのですから、みなから変に思われないハロウィンの日にしか会えないわけです。
会って何をするかと言うと、美味しいデザートを食べて、ミスターLから面白い話しを聞く、それだけです。
ミスターLは、その日のために他の364日、美味しいデザート探し、面白い話し探しをしなくてはなりません。そのデザート、話しをウサギ男が気に入らなかったら大変なことになるので。
読んでいて 「?」 となってつまらなく感じる人にはこの小説は合ってないと言えるでしょう。
第1章の 「モンブラン」 の話しでは、ウサギ男と別れて自宅にもどったミスターLの足の親指がとれてしまってまたくっつけたり、血を吐いたりしますし、第4章では、ウサギ男と会うのに連れて行った友人 (医者) から 「おまえは死んでいる」 という診断までされるのです!
ミスターLが 「高いところ」 に行って裁判にかけられたりもします。なんだかこのへんは、「不思議の国のアリス」 を彷彿とさせるような展開も。とにかく奇想天外なお話です。
単語もあまり引かなくて済んだので、これまででいちばん早く読めました。中級の人で 「辞書いっぱい引くの、イヤだな」 と思っている人にもおススメしたい本です (^^)。
中にお料理 (お菓子作り) 用語がいくつか出てきましたのでご紹介します。
강판에 갈다 おろし金でおろす
체로 치다 ふるいにかける
짤주머니 しぼり出し袋
머랭 メレンゲ
さてお借りした本のうち、次に読もうと思っているのは、최혁곤作家の 「B컷」 ですが、表紙にピストルと打たれた跡がイラストになってます。怖そうです (^^;)。
おまけ: ホームセンター 「コーナン」 で売られていた 「ソラマメ」 と 「絹サヤ」 の苗。これから冬になるのに育つんでしょうか? もしうまく育つようなら実を食べられるから良いですねぇ。