内容(「BOOK」データベースより)
ファーイースト30―すべての人間が尊重され、社会秩序を乱そうとする者ですら“紊乱者”と分類されて、その存在を容認されている理想社会。人々は適性や好みに応じて様々なギルドに属し、自由を謳歌しているかに見えたのだが…。ある日、少年イヴはレダに出会った。銀色の髪と小枝のような肢体、そして風のように自由なレダの魂に、イヴは翻弄されながらも魅了されてゆく。しかしイヴは、この運命の出会いがファーイースト30の未来を決定することになるとは夢想だにしていなかった。理想社会に潜む矛盾と人間のあり方を描く、未来SF問題作。
なんですねぇ。
この本は、ツイッターで教えていただきました。
栗本さんの著書、初めて読みましたが、分厚くて活字が小さくて、読むのに1週間くらいかかりました (^^;)。
ずっと未来の話しです。
その都市では、人口は200万人と決まっている。人々はもはや性欲も薬でしか持つことができなくなっていて生殖能力は欠如している。ゆえに生まれて来るこどもは、すべてがフラスコベビー。工場で作られます。
病気も争いも無い理想社会。人間が嫌がる仕事はもはや人間がしなくても済む。
そんな中でごく普通の15歳の少年イヴが、36歳の女性、レダと出会ったことによって今まで疑問すら感じなかったもろもろについて考え始めるわけですね。「生きるとはどういうことなのか」
宇宙からときどき訪れるスペースマンもいて、イヴはレダを連れて宇宙に逃げようと決心さえします。それはレダの死によって実行されませんでしたが。
私たち人間が理想とする社会はもしかしたらそういう社会なのかも知れません。でもこの本を読むと、やはり全員が幸せなどということはあり得ないのだなぁ、と思いました。
この理想社会において人間は、「幸せである権利と義務がある」 のです! 「義務」!
栗本薫さんは 「中島梓」 の別名でも評論などで活躍されていましたが、2009年に亡くなられました。
私は中島梓さんの著者はたった1冊しか読んでいません。それは、「ガン病棟のピーターラビット」 という本で、2008年7月発行のもの。闘病記です。
今回、検索してわかったことは、中島さん (栗本さん)は、まず乳がんが見つかり、その顛末をつづったものが1992年11月発行の 「アマゾネスのように」 だそうです。
もう1冊、2009年11月に 「転移」 という本も出版されていますが、読んでいないので、「ガン病棟のピーターラビット」 と時間的にどういう関係なのかわかりません。
自分が4回も入院して、最長は3ヶ月もの入院生活を送ったためか、作家の闘病エッセイを読むのが好きです。好きなんて言うのは変なんですけども。
読んでいてツラいのに、著者と同じ体験をしている気持ちになるんですね。マゾなんでしょうか、私 (^^;)。
中島さんの3冊の闘病記 (1冊は読んだものですが)、借りて読んでみたいと思っています。
おまけ: スーパーのお花売り場で見かけた 「風船トウワタ」 の実。これ、私もタネをまいたのですが、失敗した植物です(^^;)。プロはエラいです!