この本は、図書館の新刊案内で知って借りてみました。8日の記事でちらっとご紹介した3冊のうちの1冊です。
著者については、お料理してるかた、くらいしか知りません。「暮しの手帖」 でときどきお名前を見たような...?
本のタイトルは、私の愛読書、武田百合子さんの 「富士日記」 をもじってご主人がつけたそうです。高山さんも 「富士日記」 が大好きとのこと。
「まえがき」 に続いて書かれているのは、2011年7月25日から27日にかけての東北旅行のレポートでした。震災後の被災地のようすを見に行く旅。
写真を撮っていいものか、会いたい人がいるけれど、東京でのうのうと暮らしている私たちなど、行っていいのかどうか、迷いながら旅をします。
テレビや新聞などで被害状況を知っているつもりでしたが、これだけ細かく各地のようすを描写されると、今さらながら 「ヒドかったんだなぁ」 と思わされました。これは2011年のことですから、今はもう少しは良くなっているとは思うのですが。
その旅に55ページが割かれています。
その後は、震災前の2010年の1年間の日記になっていて、「富士日記」 みたいに、その日の食事も紹介されています。
主に、著者の仕事について、日常生活について、古い家を買ってそこを手入れすることになる顛末などが書かれています。やはり 「富士日記」 とちょっと似ていますね。
その家は、山梨県の山奥にあり、ボロボロだったそうです!
「富士日記」 でも、富士山の2合目に山荘を作った武田泰淳、百合子夫妻が、少しずつ家に手を入れて、そこでの暮しに馴染んで行く過程もつづられていますから。
それにしても、この日記を読んで驚くのは、高山さんの交友関係の広さ、豊かさです。もちろんお仕事上の知り合いも多いには違いないけれど、それだけじゃない関係のお友達がたくさん登場するんです。私みたいに非社交的な人間からすると 「スゴいなぁ」 とビックリするばかり (^^;)。
そして、高山さんとご主人である 「スイセイさん」 は、絶妙のコンビと思われるのに、こんな日記もあってホッとしたり。
「そしてきのうは、スイセイと喧嘩中だったので、まったくごはんを作らなかった。それぞれが、食べたい時に自分で作って食べた」
「まぁ、たまにはこういうこともある。誰かと一緒に暮らすというのは、きれいごとばかりではすまされないので」
そうですよねぇ...。しみじみ...。
これ、新刊案内で見つけた、と書きましたが、検索したら、文庫本になったから新刊に分類されていたので、ハードカバーでは、2012年11月発行の本らしいです。
そしてこれの続編と言うべき、「明日もいち日、ぶじ日記」 という本は、2013年9月に発行されているようですよ。こちらの文庫化はまだのようです。
8日の記事の中の分厚い本、「レダ」 を読み始めました。活字が小さ~い!
だけど最初から 「?」 の連続で面白そうです。読了まで時間はかなりかかりそうですが (^^;)。
おまけ: さっき撮った 「ワタ」 の実。上がふつうの 「ホワイトコットン」。下が 「グリーンコットン」 の実です。